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現在、初期記事のリニューアルと英語訳の付け加え作業をゆっくりおこなっています。

世界の自然と文化~北アメリカ編~

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世界の自然と文化。ラストは北アメリカ編です。

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北米・中米・南米

以前、南アメリカの章で扱った話のおさらいですが、一般に北アメリカといえば、パナマ地峡(パナマ運河のある狭い場所)より北をさし、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、コスタリカ、更にカリブ海のキューバ、ジャマイカなどを含むことが多いようです。

 

 これに対し、「狭い意味」の北アメリカというものがあり、この場合はカナダとアメリカ合衆国のみをさします。両国は元イギリス領で、イギリス風の文化が根付いて居ることから、「アングロ・アメリカ」とも呼ばれています(アングロとは、イギリス主要民族の一つです)。この場合、メキシコやコスタリカなど主にスペインから独立した国々は「中米」「中央アメリカ」と呼ばれます。

南北アメリカの区分け

 

北アメリカの地形

まず、大陸全体を大まかに見ると、西側(太平洋側)の方が山地の多い地形となっており、東側(大西洋側)は平坦な傾向にあります。

 

中でも北アメリカ最大の山脈、ロッキー山脈はカナダ西部からアメリカ西部を南北に貫き、そのままメキシコの高原地帯に繋がっています。アメリカ西部は環太平洋造山帯に属しており、実際カリフォルニアでも大きな地震が起きたことがあります。

 ちなみに北アメリカ最高峰はアラスカにある標高6194mのデナリです。かつてはマッキンリーと呼ばれていましたが、近年先住民による名称に変更されました。

 

ロッキー山脈の東側には、グレートプレーンズ、プレーリーという大平原が広がっており、小麦の一大産地となっています。

北アメリカの地形

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アメリカのほぼど真ん中を流れるのがミシシッピ川。支流(ミズーリ川など)を含めた長さは5969kmに達し、世界で4番目に長い川です。

 

アメリカ北東部、カナダとの国境にもなっているのが、五大湖と呼ばれる湖群です。このうちスペリオル湖は、湖としてはカスピ海に次ぐ面積(8.2万km2)を誇っています。また、世界的に有名なナイアガラの滝は、エリー湖オンタリオ湖の間に位置し、またアメリカとカナダの国教にもなっています。

 

一方、アメリカとメキシコとの国境を形成しているのが、リオグランデ川です。先述の通りメキシコは全体的に標高が高く、首都メキシコシティも標高2300mの高地に位置しています。これに対しメキシコ東部のユカタン半島は熱帯雨林に覆われた比較的平坦な場所で、古代にはマヤ文明が栄えました。

 

その南部から南アメリカ大陸までは細長い陸地が続いています。その最も狭い場所がパナマ地峡で、ここに有名なパナマ運河があります。

 

 カリブ海に浮かぶ島々は、西インド諸島と呼ばれています。コロンブスがこの地をインド(アジア)と勘違いしたことが由来です。西インド諸島は更にキューバやプエルトリコなどの大アンティル諸島と、バルバトスやトリニダード島などの小アンティル諸島に分けられます。いわゆる「カリブの海賊」はこうした島々を根城にしていました。

北アメリカの国々

アングロアメリカ

アングロアメリカ

全部で23の独立国がある北アメリカですが、圧倒的な存在感を放っているのがアメリカ合衆国です。

 

アメリカ合衆国は、人口3億人を超える超大国です。かつてはWASPと呼ばれる人々がアメリカ社会を動かしていました。WASPとは、White(白人)、Anglo-Saxon(アングロ・サクソン系=イギリス系)、Protestant(プロテスタント教徒)の略です。実際、アメリカ大統領の大部分はWASP系の人間でした。それ以外にも、アイルランド、イタリア、ギリシャといったヨーロッパ各国からの移民、迫害を逃れてきたユダヤ人、アフリカから買われてきた黒人奴隷、太平洋を越えてやって来たアジア系、元からアメリカにいた先住民・・・といった人々の子孫が「アメリカ人」を構成しています。

 

中でも近年増えているのが、メキシコなどラテンアメリカからの移民。彼らはラティーノ、或いはヒスパニックと呼ばれ、スペイン語を話す人々です。

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アメリカの北に位置するのがカナダ。面積は世界第2位(998万km2)を誇ります。アメリカと比べるとわずかに広い(983万km2)にもかかわらず、人口はアメリカの10分の1程度。国土の多くが寒くて居住に適さないのが原因です。ちなみに島の数も多く、中には日本よりも広い島(バフィン島 50万km2)あります。その関係で、海岸線の長さは世界ダントツ(20万km 地球約5周分!)

 

気候は寒冷ですが、広い国土を利用した農業や、豊富な地下資源による工業も盛んで、先進国G7の1カ国でもあります。国内には英語を話す人々の他、ケベックやモントリオールではフランス語を話す人もいます。ほかにアジア系や先住民の子孫なども住んでおり、多文化主義をとっています。

 

このアメリカ、カナダの2カ国が「アングロアメリカ」を形成しています。

中米・カリブ諸国

続いてラテンアメリカに属する、中米やカリブ海諸国について

中米・カリブ

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メキシコは中米最大の国で、人口は1億2千万人。日本とほぼ同じです。タコステキーラといった料理、飲み物で知られます。農業、鉱工業とも盛んですが、意外にも「銀」の産出が世界一の国でもあります。

 アメリカと国境を接していることから、メキシコ人労働者がアメリカに働きに出たり、そのまま居住することが多々あります。トランプ前大統領が「メキシコとの間に壁を建設する!」と宣言していたのも、(その是非はともかく)こうした人々が社会問題を引き起こすほどの数に及んでいたからでしょう。

 首都メキシコシティは、都市圏人口2000万を数える巨大都市ですが、酸素濃度の薄い高原地帯に位置し、しかも湖(テスココ湖)を埋め立てて建設した歴史から、20世紀以降大気汚染や地盤沈下に悩まされています。

 

メキシコの東部から南アメリカ大陸にかけて、いくつか小さな国が並んでいます。このうちグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカは19世紀に独立した後、しばらく連邦国家(中米連邦)を築いていましたが、うまくいかずに分裂しまった過去を持っています。コスタリカは20世紀半ばに軍隊を廃止したことで知られ、中米諸国の中でも最も治安のよい国の一つです。その隣、パナマはパナマ運河で知られている細長い国で、南北アメリカと太平洋・大西洋を結ぶ十字路となっています。

ユカタン半島の一角に位置しているベリーズは、中米では珍しい英語圏。でもこの国をアングロアメリカとして扱うことはあまりありません…

 

 続いてカリブ海の島国ですが、まあ全体的に小さな国が多く、プエルトリコ島バミューダ諸島マルティニーク島のように、独立していない島もたくさんあります。また、中には島民の大半がアフリカ系(黒人)を占める島もあります。彼らは近世以降、サトウキビの生産などでアフリカから連れて来られた黒人奴隷の子孫です。一方元からこうした島々に住んでいた人々は、ユーラシアから持ち込まれた病気によって殆ど姿を消してしまった、という残酷な歴史も抱えています。

中米の名所

キューバはその中でも最も大きな島。サトウキビタバコの生産で知られています。1959年のキューバ革命で親米の独裁者が倒れて以降、アメリカとの関係は冷え込んでいましたが、近年は関係改善が見られています。首都はハバナ。ちなみにその北に浮かぶ国はバハマ。ややこしい!バハマ諸島のサンサルバドル島は、大航海時代コロンブスが最初に上陸した島として知られています。

 

キューバの東に浮かぶのがイスパニョーラ島で、その西半分がハイチ、東半分がドミニカ共和国となっています。ハイチは黒人奴隷とその子孫が反乱を起こして、フランスからの独立を獲得した独特の歴史を持つ国ですが、近年は南北アメリカで最貧国の地位に落ち込んでしまっています。ドミニカ共和国は19世紀にスペインから独立。その後は良くも悪くもアメリカの影響力が強く、野球の強豪国としても知られています。

 

イスパニョーラ島の南に浮かぶジャマイカは、レゲエ音楽の発祥地、近年ではウサイン・ボルト選手の出身国として有名で、この国は20世紀にイギリスから独立。このジャマイカからトリニダード・トバゴに至るまでにミニ国家らずらっと並んでいます。しかもセント・クリストファーネイヴィスとか、セントヴィンセント・グレナディーン諸島とか、やたら長い国名が目立ちます。ドミニカ共和国とは別の「ドミニカ国」というのもあって更にややこしい!!この辺りは地図マニア泣かせの地域と言えるでしょう。

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