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現在、初期記事のリニューアルと英語訳の付け加え作業をゆっくりおこなっています。

日本の旧国名その②~信濃を流れぬ信濃川!?~

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旧国名駅
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五畿七道前回に引き続き旧国名の話。今度は東日本に参りましょう。

北陸道

現在の福井、石川、富山、新潟にあたる地域で、この4県は現在でも北陸地方と呼ばれています。

若狭(わかさ)

福井県の西部。小浜市などを中心とした地域です。原発の並ぶリアス海岸が続いていますが、その先に広がるのが若狭湾です。また、グラデーションの美しい宝石「めのう」を用いた、若狭めのう細工は、この地域の伝統文化です。

行政区名:若狭町

駅名:若狭高浜 若狭本郷など

 

越前(えちぜん)

福井県東部。福井市はこちらになります。都(五畿)から北へ山を「越えた」場所を「越」の国と呼び、そこを「前・中・後」に分けたうちの、「前=都に近い側」が越前です。越前といえば越前ガニ。ズワイガニの別名です。また、景勝地である東尋坊から気比の松原あたりまでを越前海岸と呼びます。市町村名では↓のように、越前市越前町があって、ややこしいことになっています。

行政区名:越前市 越前町 南越前町

駅名:越前武生 越前大野など

 

加賀(かが)

「越~」の国の間になぜかある、現石川県の2か国。加賀は金沢を中心とした地域です。戦国武将、前田利家の築いた百万石の加賀藩は以前大河ドラマにもなりました。この他、室町時代に起こった加賀の一向一揆、伝統的な染め物加賀友禅リゾート地として人気の加賀温泉郷などが加賀の名を冠しています。

行政区名:加賀市

駅名:加賀温泉 加賀笠間

 

能登(のと)

石川県北部。真っ先に能登半島の名前を思い浮かべる人も多いでしょう。恐竜の顔っぽい能登半島の「口」の部分には、能登島が浮かんでいます。また、半島のド真ん中には能登空港があります。

行政区名:能登町 中能登町

駅名:能登中島 能登二宮など

 

越中(えっちゅう)

現在の富山県に当たります。富山市南部の旧八尾町で行われる、越中おわら風の盆や、名産(?)の越中ふんどしで知られています。

行政区名:なし

駅名:越中八尾 越中舟橋など

 

越後(えちご)

新潟県の大部分を占める大きな国です。米どころの越後平野、関東と新潟を分ける越後山脈がよく知られています。東京と新潟を結ぶ上越新幹線も、野(群馬)と後(新潟)を結ぶ路線の意味です。一方、新潟南西部の上越市は、広い越後の中でも「上方=都に近い方」という意味。そのため、長岡や柏崎など県中央部を「中越」、新潟市周辺を「下越」と言います。

行政区名:なし

駅名:越後湯沢 越後曽根など

 

佐渡(さど)

新潟県の沖合に浮かぶ佐渡島。江戸時代までは隠岐と同様に流刑地でしたが、同時に金山(佐渡金山)で栄えた島でもあります。現在はトキの飼育で知られています。

行政区名:佐渡市

駅名:なし

北陸道

東海道

都から東へ海沿いに続いたのが東海道。愛知県を中心とした東海地方、東京~新大阪を結ぶ東海道新幹線などなど。「~海道」シリーズでは北海道に次いで有名ではないでしょうか。

 

伊賀(いが)

現在の三重県北西部。内陸の山深いところで、隠れ里を造るにはもってこいの場所でした。ゆえにこの地では伊賀忍者が多数生まれました。忍者は、かつては隠密おんみつ活動、現在は観光業で大活躍しています。

行政区名:伊賀市

駅名:伊賀上野 伊賀神戸など

 

伊勢(いせ)

津や四日市を含む三重県の大部分を占めます。最も有名なのが「お伊勢さん参り」の伊勢神宮でしょうか。昭和期に猛威を振るった台風の通り道、伊勢湾は、三重と愛知を隔てる海です。かつてこの湾が主要産地だったロブスターを、日本では伊勢エビと呼びます。

行政区名:伊勢市 南伊勢町

駅名:伊勢若松 伊勢奥津など

 

志摩(しま)

三重県の東端、その名も志摩半島の先っちょです。現在は真珠の養殖でも知られています。テーマパークの志摩スペイン村、2016年に開催された伊勢志摩サミットなど、小さいながら存在感のある名前です。

行政区名:志摩市

駅名:志摩神明 志摩磯部など

 

尾張(おわり)

尾張名古屋は城で持つ”。ということで、愛知県西部・名古屋市を中心とした地域。織田信長、豊臣秀吉の出身国として知られています。自動車大国愛知県には、車のナンバーも多様ですが、その一つ、尾張小牧ナンバーは、全国的にもレアな、4文字ナンバープレートです。このほか、岐阜(美)との間に広がる平野を濃尾平野と呼びます。

行政区名:尾張旭市

駅名:尾張一宮 尾張横須賀など

 

三河(みかわ)

こちらは愛知県東部、豊田や豊橋の所在地で、徳川家康は三河の生まれでした。知多半島と渥美半島に挟まれた三河湾などにその名が残っています。

行政区名:なし

駅名:三河安城 三河高浜など

 

遠江(とおとうみ)

都から見て「遠く」にある「江=水辺」ということで浜名湖のことを指します。現在の浜松を中心とした、静岡県西部にあった国です。別名は「遠州」で、浜松から北へ伸びる遠州鉄道などが挙げられます。

行政区名:なし

駅名:遠江一宮 遠州森など

 

駿河(するが)

静岡県中央部、静岡市周辺を指します。同市の沖合に広がるのが、桜エビの豊富な駿河湾。また静岡市はかつて駿河の国府(中心)という意味で駿府と呼ばれていました。

行政区名:静岡市駿河区 駿東郡

駅名:駿河小山 駿河徳山

 

伊豆(いず)

静岡県東部。逆に旧国名であることを知られていないんじゃないか?って思うほど有名な国名でしょう。関東人にはおなじみのリゾート地、伊豆半島です。温泉地の伊東も「伊豆の東部」からこの名がつきました。市町村名も伊豆ブランドにあやかりたいのか、もう伊豆だらけです。伊豆諸島も現在は東京都ですが、明治以前は伊豆国の管轄でした。

行政区名:伊豆市 伊豆の国市 伊東市 西伊豆町 東伊豆町 南伊豆町

駅名:伊豆熱川 伊豆長岡など

東海道1

 

甲斐(かい)

甲斐の虎、武田信玄。今も昔も山梨県民の英雄です。別名である「甲州」の方もよく用いられています(甲州ワイン、甲州街道など)。また、駿河の首府が駿府であるのと同様、甲斐の首府となったのが、甲府です。この他、関東の天気予報などでよく聞かれる「甲信越」は、山梨(斐)、長野(濃)、新潟(後)をまとめたものです。

行政区名:甲斐市 甲州市 甲府市

駅名:甲斐大和 甲斐岩間など

 

相模(さがみ)

現在の神奈川県のうち、北東部(横浜・川崎など)を除いた地域ですが、自動車で相模ナンバーの登録される主に県西部を指すことが多いです。2019年の台風でその動向が注目された相模川、この川が流れ込むのが相模湾です。横浜と海老名などを結ぶ相鉄線も、相模鉄道の略です。

行政区名:相模原市

駅名:相模大野 相模沼田など

 

武蔵(むさし)

現在の埼玉県、東京都(伊豆小笠原諸島以外)、神奈川県北東部を占めます。東京近郊の武蔵野台地、そこを走るJR武蔵野線などが旧国名を冠しています。この他、東京に本拠地を置く企業や学校名にも広く用いられています。

※なお、剣豪の宮本武蔵は、岡山出身です。

行政区名:武蔵野市 武蔵村山市

駅名:武蔵浦和 武蔵小金井 武蔵小杉など

 

常陸(ひたち)

茨城県の大部分を占めます。陸と城(福島東部)を結ぶ、常磐道やJR常磐線にもこの名がついています。工業都市の日立も、漢字は違えど「ひたち」と読みます。より縁起のよさそうな字を選んだのかしらん?(未調査)

行政区名:常陸太田市 常陸大宮市 ひたちなか市 常総市

駅名:常陸大子 常陸多賀など

 

下総(しもうさ)

現在の千葉県北部を中心とした地域。ここも「総(ふさ)の国」が分離したものです。成田空港のたたずむ下総台地にその名が残ります。また、千葉県民おなじみ(?)のJR総武線も、下蔵とを結ぶ路線の意味です。

行政区名:なし

駅名:下総中山 下総橘など

 

上総(かずさ)

千葉県の中央部がここ。下総よりも都から遠いのになぜ「上」なのかというと、上総には海を渡って南からやって来ることが多かったから、だそうです。車輪を用いた伝統的な井戸掘りの技法、上総掘りなどにその名が残ります。

行政区名:なし

駅名:上総一ノ宮 上総中野など

 

安房(あわ)

千葉県最南部。館山などの所在地です。その名から、阿波(徳島県)の住民と深いつながりがあるとされます。安と下を占める房総半島、その東京湾側の呼称である内房、太平洋側の呼称である外房に用いられています。

行政区名:南房総市 安房郡

駅名:安房鴨川 安房小湊など

東海道2

東山道

滋賀県から東北まで、内陸部を中心に連なる国々は、東山道と言いました。さすがに地域的な統一性が無いのか、東山の名はあまり見かけませんね・・・

近江(おうみ)

遠江が浜名湖なら、近江は都に近い「江」すなわち琵琶湖。ゆえに滋賀県を指します。伝統的に商売上手な人が多いことから、近江商人の名は近世よく知られていました。現在有名なのはブランドの近江牛でしょうか。

行政区名:近江八幡市 東近江市

駅名:近江今津 近江舞子など

 

美濃(みの)

マムシの道三こと、斎藤道三が治めた美濃国は、岐阜県の南部にあたります。現在は美濃和紙や陶磁器の美濃焼きなど、伝統工芸品のブランド名となっています。

行政区名:美濃市 美濃加茂市

駅名:美濃太田 美乃坂本など

 

飛騨(ひだ)

こちらは、観光地の飛騨高山で知られる、岐阜県北部の国名。北アルプスの正式名称飛騨山脈、下呂温泉付近を流れる飛騨川などがその名に残っています。また、高山や下呂で車を買うと、飛騨ナンバーを付けてもらえます。

行政区名:飛騨市

駅名:飛騨古川 飛騨萩原など

 

信濃(しなの)

日本で四番目に広い長野県は、全体が信濃国でした。県名の元になった「長野市」は県北にかたよった場所に位置している上、元々小さな門前町に過ぎず、城下町だった松本などは県全体の呼び名に「信州」を用いることが多いそうです。そのためか長野県歌も「信濃の国」というタイトルです。さて、信濃といえば信濃川ですが、これは新潟県に入ってからの河川名で、信濃国内では「千曲川」と呼ばれています。(※大阪を流れる淀川も、京都では宇治川、滋賀では瀬田川という名前)

行政区名:信濃町

駅名:信濃大町 信州中野など

 

上野(こうずけ)

現在の群馬県。吉良上野介でおなじみですが、これは吉良家の領地がここにもあったから(本領は三河)らしいです。また、普通に読んだら「うえの」じゃんか!ということで(?)、別名「上州」の名で用いられることも多いです。上州空っ風は、群馬県に吹き荒れる強風のこと。昔は「上毛」という書き方(毛は草の茂る様子という意味)もしていました。こちらは上毛かるたで有名ですね。

行政区名:上野村(読み方は「うえの」)

駅名:上州富岡 上州福島など

 

下野(しもつけ)

こちらは栃木県の旧名。現在栃木県で発行されている下野新聞というものがあります。また「下州」だとイメージが悪いのか、「野州」と呼ばれることも。なお、下野もかつては「下毛野」と書かれ、栃木県と群馬県を合わせて両毛と呼ぶことがあります(JR両毛線など)。群馬と栃木がやたらセットにされるのも理由があるのです(^^;)

行政区名:下野市

駅名:下野大沢 野州山辺など

東山道1

出羽(でわ)

東北地方の国名はちょっと複雑です。江戸時代までは現在の秋田と山形を合わせた地域に「出羽」、青森、岩手、宮城、福島の地域に「陸奥」という国が置かれていました。両方とも途方もなくデカい!ため、明治に入ってから分割されました。

出羽の名は、秋田・山形を縦断する出羽山地、あるいは、月山・羽黒山・湯殿山の総称出羽三山に残っています。それ以上の規模を誇るのが、東北の太平洋側(陸)と、日本海側(出)をへだてる奥羽山脈でしょうか。(山ばっか・・・)

行政区名:なし

駅名:南出羽

 

陸奥(むつ)

陸奥国は、①江戸時代まで東北の太平洋側をまとめた国を指し、②明治から廃藩置県までは現在の青森県周辺だけを指す国名となりました。②については、後述します。

①については、別名の「奥州」で考えた方が分かりやすいかも。奥州市奥州藤原氏の郷平泉は、いずれも岩手県にあります。古代の奈良・京都から見て、物理的にも精神的にも遠かった東北地方は、情報も少なく、結果かなり大雑把な扱いを受けていたのです。陸奥や出羽が不自然に大きいのも、それが理由でした。

まさに東北は、都から見て「道=地の、最もまった場所」だったわけで、この状況が「みちのおく」すなわち「みちのく」という言葉を生みました。

東山道2

※行政区名・駅名についても後述します

番外編 北海道

先ほど古代の東北が「未開の地」という扱いを受けていたことを書きましたが、ヤマト朝廷(天皇家)に従わなかった東北先住の人々を、蔑称として「エミシ」と呼んでいました。その後平安時代に東北が平定されると、その先の土地(現北海道)やアイヌ人が「エミシ」と呼ばれるようになります。

このエミシも漢字で「蝦夷」と書きますが、「蝦」も「夷」も、野蛮人のようなマイナスの意味で用いられる字でした。時折、中国の中華思想をバカにする人がいますが、かつては日本も似たようなことをしていたワケです。いずれにせよ、蝦夷は正式な国名ではありません。

なお、蝦夷の名残として、北海道に生息するエゾジカエゾリスエゾマツなどが挙げられます。カタカナ表記することが多いのは、やはり字体が悪いからでしょうか・・・?

蝦夷地

明治以降の東北

さて、東北(出羽・陸奥)と北海道(蝦夷地)は、近代を迎えた明治時代に、より効率的な統治をすべく、(簡単に言えばデカいから)複数の国に分けられました。が、間もなく始まった廃藩置県によって廃止されたため、これらの国が置かれた期間は短いものでした。

 

羽前(うぜん)

出羽のうち、主に現在の山形県となった国で、やっぱり都に近い側が「前」です。現在羽前の名を見かけるのは駅名くらいでしょうか。

行政区名:なし

駅名:羽前千歳 羽前椿など

 

羽後(うご)

こちらは現在の秋田県を中心とした国です。羽前と同様、以下のような町名、駅名に残っているくらいです。

行政区名:羽後町

駅名:羽後本荘 羽後太田など

 

岩代(いわしろ)

ここからが「陸奥」の国から分割された国名です。岩代は福島県の中央から西にかけての国で、2005年まで岩代町という自治体がありました。(現二本松市の一部)。

行政区名:なし

駅名:岩代清水

 

磐城(いわき)

こちらは福島県東部。いわゆる浜通りを中心とした国です。前述の「常」のほか、新潟と福島を結ぶ磐越道は、「城」と「後」を結ぶ自動車道の意味です。

行政区名:いわき市

駅名:磐城棚倉 磐城太田など

 

陸前(りくぜん)

現在の宮城県を中心とした国ですが、奇跡の一本松で有名になった陸前高田市は、岩手県に属しているなど、今の県境とは若干のズレがあります。温泉地を多数通るJRのローカル線、陸羽東線は、前と前を結んでいます。

行政区名:陸前高田市

駅名:陸前山下 陸前落合など

 

陸中(りくちゅう)

現在の岩手県を中心とした地域。三陸沿岸一帯を含んだ国立公園、陸中海岸国立公園に名前が残っています。なお三陸海岸とは、「前、中、奥」という「三つの陸」にまたがる海岸の意味です。この語源を知った時、私も素直に感動しました(^^;)

行政区名:なし

駅名:陸中山田 陸中大里など

 

陸奥(むつ)

5つに分割された後も、陸奥国は現在の青森県周辺だけを指す国名として残りました。現在も青森市の沖合、ちょうど下北半島をひっくり返したような形をしている湾の名前に用いられています。陸奥湾です。

行政区名:むつ市

駅名:陸奥横浜 陸奥鶴田など

東山道3

明治以降の北海道

北海道も11の国に分けられました。こちらも短命でしたが、その後の紆余曲折を経て一部が現在の支庁(振興局)の名前にも残っています。

 

渡島(おしま)

渡島は現在の函館を中心とした北海道最南部の地域。函館のある半島を、渡島半島と呼びます。この名前は一部の駅名にも用いられていますが、2016年に開業した北海道新幹線の新函館北斗駅は、もともと渡島大野駅という小駅でした。

行政区名:渡島振興局

駅名:渡島砂原 渡島沼尻

 

後志(しりべし)

現在の小樽やニセコの周辺を指します。現在も後志支庁(振興局)の名前が用いられていますが、逆に言えばそれ以外、何に使われているのかな・・・

行政区名:後志振興局

駅名:なし

 

胆振(いぶり)

登別、室蘭、苫小牧などの地域です。こちらも胆振支庁(振興局)に名前が残るくらいでしょうか。

行政区名:胆振振興局

駅名:なし

 

石狩(いしかり)

ここは割と有名だと思います。札幌をはじめとした道央地方の旧国名。石狩平野、石狩川、石狩鍋などが有名でしょう。

行政区名:石狩振興局 石狩市 石狩郡

駅名:石狩沼田 石狩当別など

 

天塩(てしお)

手塩ではなく「天塩」。北海道北部の日本海側から内陸部、留萌や旭川が含まれます。天塩山地天塩川その名が残ります。

行政区名:天塩郡 天塩町

駅名:天塩中川 天塩川温泉

 

北見(きたみ)

北海道のオホーツク海側を占めます。中心都市である北見市のほか、網走から稚内までが北見国でした。北見山地などの地名が、この国名を冠しています。

行政区名:北見市

駅名:北見など

 

十勝(とかち)

帯広を中心とした十勝平野。北海道はもとより、日本の胃袋を支える大平原です。このほか十勝岳十勝川温泉なども、この地方の地名です。

行政区名:十勝振興局 十勝郡

駅名:十勝清水

 

日高(ひだか)

襟裳えりも岬から西側の海岸沿いがこの国の範囲。北海道の中では急峻な日高山脈、そのふもとで育てられる日高牛などに用いられています。が、なんといっても沿岸部で干されている日高昆布が知名度バツグンでしょう。

行政区名:日高振興局 日高郡 日高町 新ひだか町

駅名:日高門別 日高三石など

 

釧路(くしろ)

名前の通り、道東の釧路市周辺です。町の名前以外にも、釧路湿原や、釧路川など。札幌や根室と同様、アイヌ語由来の地名ですが、その語源には諸説あるそうです。

行政区名:釧路振興局 釧路市 釧路郡 釧路町

駅名:釧路など

 

根室(ねむろ)

こちらも名前の通り、北海道最東部の根室市周辺です。この街は根室半島の付け根にあります。また、酪農で知られる根釧台地は、もちろん室と路の意味。

行政区名:根室振興局 根室市

駅名:根室など

 

千島(ちしま)

ここは北海道本土ではなく、その先の島々を指します。いわゆる千島列島ですが、今はロシアの統治下になっています。太平洋を流れる親潮は、正式名称を千島海流と呼びます。

行政区名:なし

駅名:なし

明治北海道

 

おわりに

2回にわたっての旧国名ツアーにお付き合いいただき、ありがとうございました。今回紹介した以外にも、まだまだ旧国名の名残はあるはず。例えば、「伊勢国」に役人として派遣された、藤原氏の一派。彼らの子孫は、「伊勢の藤原」という意味で、「伊藤」という姓を名乗るようになった(諸説あり)。では、「加賀国」に派遣された藤原氏はどうなったでしょう?

などと考えていくとネタは尽きません。古い地名が意外な場所から顔を出すのは、地中からお宝を発見した感覚にも似ています。あなたも地元で、旅行先で、こうした長い歴史をもつ名前を探してみませんか?

 

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