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世界の自然と文化~アフリカ編~

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世界の自然と文化。第4弾はアフリカです。多くの日本人にはまだまだ馴染みの薄い、未知の地域かもしれませんが、それだからこそ、多くの発見があるかも。

アフリカの語源

アフリカという地名の語源は諸説あるようですが、古代フェニキア人の言葉が由来と言われています。

彼らは現在のチュニジアに植民都市カルタゴを築いたことから、カルタゴ周辺をフェニキア語で「植民」を意味する「アフリグァ」と名付けた、というのが最有力の説のようです(参考:地名でわかるオモシロ世界史 宮崎正勝著 角川ソフィア文庫)。

つまり、最初は現在の北アフリカにあたる一地域の呼び名がが、やがては大陸全体の呼び名となっていったわけですね。

アフリカの地理

アフリカ大陸の総面積は約2900万平方キロメートルで、大陸の中ではユーラシアに次ぐ広さです。東はインド洋、西は大西洋、北は地中海に囲まれています。インド洋の沖にはアフリカ大陸周辺では最大の島、マダガスカル島が浮かんでいます。

さて、アフリカの大地形と言えば、まず何と言っても、アフリカ北部に広がるサハラ砂漠!世界最大のこの砂漠は北緯20~30度付近の、いわゆる中緯度高圧帯上にあり、雨が少ないためにこのような地形となっています。この砂漠地帯と、赤道付近の熱帯雨林の間の地域を「サヘル」地帯と言います。サヘル地域では伝統的に焼畑農業が行われていますが、近年は人口増加のために森を焼くスピードが速まり、砂漠化を加速させています。

しかし、そんなサハラも約8千年前には草原だったことが、遺跡の壁画などによって明らかになっており、長い年月で見れば、砂漠も伸縮を繰り返しているようです。なお、赤道をはさんだ南緯20~30度付近にも、ナミブ砂漠、カラハリ砂漠といった乾燥地帯が広がっていることも注目です。

アフリカ東部は、最高峰のキリマンジャロをはじめ、標高の高い地域が広がっています。その一方で、大地が大きく裂けてできた窪地も存在します。アフリカ大地溝帯と呼ばれているこの裂け目は現在も少しずつ広がっており、数千万年後にはソマリアやエチオピアが、アフリカ大陸から分離してしまう可能性が考えられています。またその窪地に水がたまった、南北に細長い湖があちこちに存在しているのも特徴です。

この東アフリカを除けば、全体的にアフリカ大陸は起伏のない、平たい構造をしています。そのため内陸から海に注ぐまで、長~い距離を流れる川が少なくありません。世界最長のナイル川の他、L字型に大きく曲がってギニア湾に流れ込むニジェール川、ジャングルの中をぐるっと廻りながら大西洋に至るコンゴ川といった川はいずれも日本の信濃川とは桁違いの長さを誇ります。こうした川沿いには、古くからエジプト文明マリ帝国コンゴ王国といったアフリカ独自の文化を育んだ王朝が栄えました。

アフリカの国々

2022年現在アフリカには、大陸周辺の島国を含めて54もの国があります。本来ならば、これだけの国数なら、アジアのように小地域ごとに分類すれば分かりやすいのかもしれません(北アフリカ、西アフリカ…など)。しかしアフリカの国々はアジアのようなハッキリとした地域分けが出来ないのが現状です。

左下の図は、国連の定める区域分けですが、個人的にはどうも違和感があります。これとは別に右下のような分け方も一例として存在します。

アフリカ区分

アフリカ諸国の国境は、その多くが民族分布を無視したものになっています。エジプト~スーダンや、モロッコ~モーリタニアの境を見ればわかるように、直線で引かれた不自然な国境もあれば、セネガルとガンビア、南アフリカ共和国とレソト、エスワティニのように、三方、四方を一つの国に囲まれているという、これまた不自然な領域を持つ国もあります。

これは、かつてヨーロッパ諸国がアフリカを植民地化した際に引いた境界線が元になっているためです。ヨーロッパからして見れば、資源が手に入り、現地人が自国のために働いてくれればよく、彼らの伝統文化や歴史などは二の次とされました。むしろ、民族を分断したり、複数の民族を一つの植民地に囲い込むことは、団結して抵抗されるようなことを防げるなど好都合でした。

こうしたことから、一つの国に100以上の民族が暮らしていたり、逆に一つの民族が複数の国に分散していたり、といった事例が数多く存在します。こういう背景もあって、明確に「この国は西アフリカ、あの国は東アフリカ」と定めることが難しいのです。

それでも頑張って、アフリカを大きく5つに分けてみます。場合によっては同じ国を複数の地域に入れています。

北アフリカ

概ねサハラ砂漠より北にある国々です。北アフリカの特徴としては、アラブ人・イスラム教徒が多いことで、アフリカの他の地域以上に、西アジアとの関わりが深いことでしょう。

北アフリカ-1

ご存じ、ピラミッドで知られるエジプトは、ナイル川という世界一長い川の沿岸に、人口の90%以上が暮らしています。

リビア、チュニジア、アルジェリアなどは、南側は砂漠地帯で、人口は北の沿岸部に集中しています。地中海に面した所は、アラブ人が来る以前にもギリシャ人やフェニキア人、ローマ人が住んでいたことから、こうした文明の遺跡があちこちに残っています。

北アフリカ-2

西サハラは、現在モロッコが実効支配している地域です。

西アフリカ

アフリカ大陸の内、西に大きく突き出した部分に位置する国々。内陸部は大部分が砂漠ですが、大河ニジェール川が流れており、古くからオアシス都市を中心とした王国が築かれました。その河口部であるナイジェリアもまた大規模な農業地帯で、ナイジェリアはアフリカ最大の人口を持った国となっています。

西アフリカ-1

沿岸部は熱帯気候で、伝統的な焼畑農業が行われています。

北アフリカからは、商人(キャラバン隊)を通じてイスラム教が伝わる一方、南(大西洋)からは大航海時代以降、ポルトガル人などのヨーロッパ人宣教師がキリスト教を伝えたため、宗教分布が複雑になっています。負の歴史としては、アフリカでも最も多くの奴隷が連れて行かれた場所でもあります。今も、奴隷海岸、黄金海岸、象牙海岸といった地名が、この地域に残っていますが、それが意味する所は、容易に想像がつくかと思います。

西アフリカ-2

東アフリカ

この地域を一言で言い表すことは難しいです。

インド洋に面する、ソマリアからモザンビークにかけての沿岸部には、アラブとアフリカの文化が混ざった、スワヒリ文化が興りました。砂漠の民と思われがちなアラブ人ですが、実は優れた航海技術も有しており、一時期はインド洋一帯を”わが物”としていました。

一方のエチオピアは、古くから独自のキリスト教文化が続き、周辺地域と一線を画しています。この国はまた、19世紀のヨーロッパによる植民地化を免れた、数少ない国の一つでした。

東アフリカ-1

マダガスカルには、東南アジアに近い人々が主に住んでおり、稲作も盛んに行われています。大陸部とは大きく異なる特徴です。

東アフリカ-2

中部アフリカ

アフリカでも最も森林が発達している地域です。ジャングルの中をコンゴ川という大きな川が流れており、その沿岸部には多様な民族が暮らしています。

 

中部アフリカ-2

多民族国家ゆえに内戦で政情が不安定な国も少なくありません。ただし、アンゴラやルワンダのように、内戦を克服して成長を続けている国があるのもまた事実です。

中部アフリカ-1

南部アフリカ

南アフリカ共和国やジンバブエなど、多数の白人(ヨーロッパ人)が実際に移住した点で、他の地域と異なる特徴があります。

南部アフリカ-1

1960年以降に独立した国が多く、アパルトヘイト撤廃を含め、ヨーロッパ社会からの解放が最も遅れた地域でした。治安は比較的良いとされています。

南部アフリカ-2

変わるアフリカのイメージ

20世紀のアフリカと言えば、貧困、内戦、伝染病といった「マイナス」のイメージがつきものでした。

実際にナイジェリア、スーダン、アンゴラなどでは激しい内戦が続き、その混乱から経済が回らず、飢餓が蔓延する、といったことが起りました。エボラ出血熱エイズといった深刻な病気もアフリカの人々をを苦しめていました。

 

一方で、アフリカ人(黒人)は差別の対象となり、「文化を持たない人々」とか、白人より「劣った存在」など、対等な扱いを受けなかった時代が長く続いていたのも事実です。ヒトラーは黒人を劣等民族と見なしていましたし、南アフリカで続いていたアパルトヘイトは典型的な黒人差別政策でした。

21世紀の今、こうしたマイナスのイメージがなくなったわけではありません。しかし、一昔前と比べ、アフリカが大きく変わったのも事実です。20世紀と比べれば、内戦も飢餓も減少傾向にあり、医療体制も大きく改善しています。まだまだ若者人口が多く、人口も絶賛増加中で、人的資源は豊富。地下資源も国によっては豊富です。

 現在、アフリカには中国を始めとする多くの外国企業が進出していますが、それはかつてのような「支援」というより「投資」先としてアフリカを見ているから、と言われています。この結果、一部の都市では高層ビルが林立し、人々はスマホ片手にキャッシュレス生活、という東京やニューヨークにも劣らない社会が築かれつつあります。(もちろん、支援の必要な国、内戦や民族対立に苦しんでいる国もまだまだありますが)

そのイメージを刻々と変化させているアフリカ。人類を最初に生んだこの大陸は、ひょっとするとこの先、世界の人類を引っ張っていく最先端地域に生まれ変わるかもしれません。

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