世界地理・世界史の謎

鎌倉時代って結局何年に始まったの?

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今年の大河ドラマは、鎌倉幕府が成立し、鎌倉時代が始まる頃の時代が舞台です。

この鎌倉時代を巡って、近年よく取り上げられるのが、

「鎌倉時代の始まりは、前は1192年だったけれど、今は1185年になった!」

という話題です。

今回はこの件について、私なりの解釈を述べていきたいと思います。

 

これは私独自の見解なので、専門家との見解とは異なる場合があります。違うからって、首ちょんぱにしないでね(^^:)

時代の分け方

そもそも、何とか時代という呼び方(時代区分)は何のために行うのでしょう。

長い歴史の中、そこに住む人々の生活や社会も変化していきます。貴族の支配していた時代や武士の時代、あるいは稲作が生活の中心になった時代、機械工業が行われるようになった時代…などなど。これら「様子の異なる社会」をわかりやすくするために、時代区分というものが行われます。

時代の変化

その方法は国によって異なります。例えば中国では「」とか「」といった「国号」で分けることが一般的。フランスの場合は、王家の名前を用いて「ヴァロア朝」「ブルボン朝」、その後は政治体制を用いて「第3共和政」「第5共和政」なんて分け方をしているようです。

 

しかし日本の場合は、7世紀以降ずっと「日本」という国号を用いており、王家もずっと「天皇家」が続いているとされています。そのため中国やフランスの方法は使えません。その代わり日本では、政治を担う人々とその中心地がコロコロ変わっていたので、その時その時の中心地に、「時代」を付けて区分するようになりました。

 

つまり政治の中心が、飛鳥→奈良(平城京)→平安(平安京)→鎌倉→室町(京都の一角)→安土・桃山(信長と秀吉の拠点)→江戸、と移り変わったワケ。

 

ちなみに、旧石器、縄文、弥生、古墳時代は、そもそも国ができる前だったり、あっても統一されておらず、中心地を定めにくかったりしたため、各々の文化的特徴を時代区分に用いています。明治以降はもちろん「元号+時代」の表記です。

1185年と1192年に起こった事とは?

さて、くだんの鎌倉時代ですが、その始まりを何年にするのか。

平成→令和の場合なんかと違って、「〇〇年〇月〇日に平安時代が終わり、翌日から鎌倉時代が始まりました~♪」なんて記録は当然ありません。だからモメるのです。

こんな新聞があれば

先にも書いたように「●●時代」の始まりは、政治の中心が「●●」の街に移った時から始まります。しかしその字面通りに「平安京(京都)から鎌倉へ政治の中心が移った時」とすると、それは早くとも、京都に六波羅探題ができた1221年以降になってしまいます。ちょうど今回の大河の主人公、北条義時が最も活躍していた頃ですね。

やっぱり「鎌倉幕府ができた時が、鎌倉時代のスタートだろう」というのが、一般的な解釈でしょう。すると今度は「幕府ができたとは、いつ、どんな事を指すの?」という疑問が生じます。これが1185年説と1192年説の違いとなっていきます。

 

1185年というのは、源頼朝が全国に守護、地頭(頼朝の言うことを聞く役人)の設置を朝廷より許可された年です。つまり、これを持って、頼朝が全国に政治的な影響力を及ぼすことができるようになり、事実上の政権=幕府成立、とすることができるのです。(ついでに言うと1185年は、平安時代の最後を飾った平家が、壇ノ浦の戦いで滅亡した年でもあります。)

守護地頭

これに対し1192年とは、源頼朝が征夷大将軍に任命され、名実ともに武家社会のトップとして認められた年です。言うなれば「鎌倉幕府成立の象徴的な出来事」といったところでしょうか。

いい国作ろう

これを学校に例えれば、1192年に入学式が開かれて、新一年生が我が校の生徒として歓迎を受けたけれど、授業は既に1185年から始まっていた、なんてイメージすればいいと思います。

近年、鎌倉時代の始まりが1192年から1185年へと変わりつつあるのは、1192年幕府成立が実態に合っていない、という声を受けてのものです。このように、時代区分の線引きは必ずしも明確なワケではないのです。

鎌倉時代は重要!

では、江戸や室町ではなく、なぜ鎌倉時代開始を巡ってモメているのかというと、これは私の考えですが、この時期が、日本史における大きなターニングポイントだったからだと思います。

 

源平の争いを通じ、それまで天皇や貴族が中心だった世の中が、武士中心の世の中へと変化していく。そして武士による政治組織、つまり幕府が成立し、以後明治が始まるまで600年以上もの間、武士の世は続きました。

鎌倉幕府の成立はその始まりを告げる、歴史的に重要な出来事なのです。それだけに、始まりの年が何年なのか、大きな議論を呼んでいるのかもしれません。

武士の世へ

ただ、1192年だろうと1185年だろうと、現実には幕府ができた瞬間に社会全体が変わった、というわけではありません。幕府自体、それまで前例がないのですから、手探りの状態で長い時間をかけて少しずつ形を成していったものでした。

より大事なのは、単に年号を覚えるという事より、この「12世紀の終わり頃」に起こった、貴族の世から武士の世への「社会の変化」を理解する、ことではないでしょうか。

 

世の中が移り変わる時、そこには数々のドラマが生まれます。バラバラだった諸国が再び統一される戦国・安土桃山時代や、武士の世が終わり近代国家へと日本が大きく変貌する幕末・明治時代を舞台とした大河ドラマが非常に多いのも納得です。そしてやはり世の中が大きく変化する平安末期~鎌倉初期が舞台の作品は、これらに次ぐ数を誇っています。今回の大河で1185年と1192年がどのように描かれるか、想像しながら見てみるのも面白いかもしれませんよ(あ、私はNHKの回し者ではありません!)

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