世界史と世界地理の、かわいいイラスト付きブログ

世界地理、世界史について見て、読んで、知ってみませんか?

現在、初期記事のリニューアルと英語訳の付け加え作業をゆっくりおこなっています。

4カ国目~アラブ首長国連邦~

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -

3カ国目~スリランカ~

9/16(火)コロンボ→ドバイ

 気づけば旅を始めて1週間以上が経過していた。今日が何曜日なのか分からない時が多々ある。スリランカ最後の夜はスコールに見舞われたらしく、朝地面は湿っていた。一通りの準備を済ませ、2人で宿を出発。行きは散々な目に遭ったので、今回はホテルの車でバンダラナイケ空港まで送ってもらった。出発ターミナルに入ると、いきなりX線の機械が。バッグとスーツケースを通し、問題なく中に入れてもらう。水のペットボトルもそのままだった。空港、というか国によってセキュリティチェックの方法は随分違うのか。

 

さて、今回はコロンボからアラブ首長国連邦のドバイへ向かう。この便では母が奮発して、エミレーツ航空のビジネスクラスを取っていた。当初金の浪費だと私は嘆いたが、結果的には熱帯地方をずっと廻った疲れを癒すことができるこの席は、ビジネスで正解だったかもしれない。バンダラナイケ空港内には成田と同様にラウンジがあり、そこで豪華な朝食を食べることができた。ちなみに母は当初、デンマークで会う友人のためにセイロンティーを買う予定だったそうだが、ここに長居しすぎて(途中で探すのが面倒くさくなったに違いない)、諦めたそうだ。スリランカ・ルピーも大分余ってしまった。まあ物価を考慮して、両替したのは5千円分だけだったのだが。

 

時間になったのでゲートに来ると、またここでセキュリティチェックが。今度の検査は厳しく、靴や時計まで外された上、ラウンジで貰ったペットボトルの水もここで捨てる羽目になった。2段階チェックとは初めてである。その先の入口で待っていると、窓の先ではまたスコールが。昨日は暑かったとは言え、晴れていて幸運だったのかも。10分くらいの遅れでゲートが開き、いよいよエミレーツ航空のビジネス席へ向かう。その途中にはファーストクラスの席もあったが、本当に個室のごとし!ビジネスクラス席も、最初に乗ったベトナム航空のものより4割増しくらい豪華だった。目の前の大画面では、いつもの注意事項が表示される。CAさんや乗客役の人が、アラビア語版と英語版で荷物の置き場や救命胴衣の着用を説明していたが、アラビア語版ではアラブ系だった出演者が、英語版では西洋人に置き換わっていたりと、芸コマだった。バンダラナイケ空港を離陸したのは、これまた約10分遅れだが、もうこれは誤差の範囲だ。さらばスリランカ!

ゼータクすぎる!

飛び立つと、間もなく眼下には海岸線が見え、飛行機はインド洋に飛び出す。その後いったんインドの最南端をかすめ、再びインド洋を西へ進む。連日の寝不足から、インドを抜けたことを確認した私は、配られたアイマスクをはめ、ブランケットに身を包み、席をかなりフラットにして、完全おやすみモードに。こうして少しうとうとしていたら、いきなりスタッフに起こされる!何だと思ったら、機内食の選択だった。先ほどお宅のラウンジでたらふくご馳走を頂いたのだが、さすがにNo Thank You とは言えない。しばらくして出てきた料理はまたボリュームたっぷり。ああ今日も夕飯は要らないわ。

 

機内でPC作業をしたり、本を読んだり、またアイマスクでお休みしたりと繰り返す中、飛行機はアラビア半島に差し掛かる。ここはまだアラブ首長国連邦ではなく、オマーンである。オマーンも砂漠と石油の国で、車窓からは薄オレンジと茶色の大地が果てしなく広がっていた。タイやスリランカが緑に覆われていたのとは対照的である。やはり熱帯と乾燥帯は全然違うのだな。更に車窓を見て感じたのが、オマーンは意外に丘陵地帯が多いという事。決して高いわけでは無いが、裸の山肌が眼下に広がり、その先には海岸線がうっすら見えた。その先はペルシャ湾である。建物は、まだかなりの高度だったため豆粒にしか見えなかったが、その豆粒が海岸線に沿って横に長く広がっている場所も見られた。オマーンの首都マスカットであろう。

オマーンの首都マスカット(たぶん)

その後飛行機はいったんペルシャ湾上空に出て、すぐまたアラビア半島上に。ここでアラブ首長国連邦の領空に入る。と同時に高度を落とし始めた。眼下の光景はやはり砂漠地帯だが、時おり灌漑で得られた緑が、水玉模様のようにポツポツ見えるようになってきた。イスラムにとって緑色が重んじられるのは、やはり植物の希少さが関係しているのだなという事が、この光景からもわかる。やがて高速道路、モスク、住宅街、宮殿のようなお屋敷を見つつ、飛行機はほぼ定刻通りにドバイ空港に到着した。

 

ドバイ空港は兎にも角にもデカい!バンダラナイケ空港はもちろん、スワンナプーム空港をも超えているのではないだろうか。とにかく、到着してから入国審査、そして出口へ行くまでひたすら歩く。途中両替カウンターがあったが、ドバイは一泊しかしないし、基本買い物もカードでできると聞いているので、10ユーロ(1800円くらい)だけディルハム(34.5ディルハム)に替えてもらった。が、カウンターの職員さんには「これだけでいいの?」と何度も聞かれた。怪しまれただろうか?両替を終え、エミレーツ航空で申し込んでいた送迎車に乗り込む(この受付まで行くのにも、広くて場所がわからず一苦労)。ビジネスクラスのサービスフル活用である。

ホテルに着くと、ドバイ、というよりアラビア半島を照らす灼熱の太陽が早速お出迎え。東南アジアとはまた異なる暑さである。その分ホテルの部屋はガンガンの冷房で、肌寒いくらいであった。洗濯物が少し溜まっていたものの、このホテルにはランドリー設備は無いとのことで、ここで初めて手もみ洗濯セットを使用。しかし干す場所が無かったので、濡れたシャツ1枚と靴下1足を持って出かけることにした。何しろ外は天然の乾燥機ではないか!

 

この旅初めての長時間一人行動である。母はさすがにOFFの日にするらしい。私もその方が良いと思った。一人ならある程度無茶も利くし、電車賃も一人分で済む。幸いホテルから歩いて数分の距離にドバイメトロの駅があるので、そこまで炎天下を歩く。その間、帽子の上に、先ほど洗ったシャツをかぶる。こうすれば自分は涼しいし、シャツも乾きやすい。一石二鳥である。靴下はリュックの両側に縛り付けた。まあ気持ちの問題である。エミレーツ駅に着いた私は、クレジットカードで切符を購入。ドバイメトロのレッドラインに乗車する。水は予め十分に飲んでおいた。この電車で飲食や居眠りをすると、高~い罰金を取られるらしいからだ。

ドバイメトロ

ドバイメトロは空港連絡線を兼ねているが、この段階ではまだ車内はガラガラ。ドバイ空港といえど、ドバイシティの中ではかなりの郊外のようだ。途中駅で東アジア系の男性が隣に乗車してきた。このままでは濡れた靴下が当たってしまうと、慌ててカバンにしまった時、「あ、失礼」とつぶやくと、日本語で「いえ、大丈夫です」との返答。驚いた私が「あ、日本人でしたか」と聞くと、「いえ、ミャンマー人です」とのこと。曰く、かつて日本に留学した経験があり、日本語はペラペラ。今はドバイ空港で働いているのだそうだ。日本では長時間労働を強いられたが、今は8時間労働が守られているという。彼は途中の駅で降りて行ったが、思いがけず日本語ができる親切な人と会えて、嬉しいと同時にちょっと考えさせられた。

車窓から見えた、ドバイフレーム

高層ビルが増えるにつれ、満員電車と化したメトロに乗って2~30分。ドバイのシンボルである、ブルジュ・ハリファ駅に到着。正確にはブルジュ・ハリファ・ドバイモール駅という名前で、駅と巨大なモールが動く歩道で繋がっていた。モール内の高級ブランド店に全く興味のない私は、早々に出入り口を見つけて、外に出る。ちなみにドバイでは、日本での1階にあたるフロアが、G(グランド)フロア、2階に当たるフロアを1階、というような階数数表示を採用している。欧米に合わせているのだろう。物の数え方も一つではないのだ

新宿?マンハッタン?香港?いいえ、ドバイです

さて、灼熱地獄に半ば快さをも感じつつ、ドバイの高層ビル群に飛び出した私。どれも新宿や東京駅に匹敵する、否、それ以上の高さを誇る超高層ビルであるが、その中でもブルジュ・ハリファは群を抜いて高い。上に行くほど細くなっているので、タワーのようでもあるが、れっきとしたビルである。ちなみに中に入って高層階へいくこともできるそうだが、数千円が飛んでいくのでやめた。地上から見上げるだけでも十分すぎる大迫力であるし、ドバイならまたいつか来そうな気もするからだ。そのまま動く歩道のあった通路を目印に、10分ほど地上を歩いて駅に戻った。

圧巻

駅の入口からもブルジュ・ハリファは見ることができ、そこで写真を撮っている2人組がいた。その一人に呼び止められ、ブルジュ・ハリファをバックにツーショットを撮ってくれと頼まれたので、快く応じる。お礼に私も同じように撮ってもらった。彼らは中国語のスマホを使っていたが、国籍はカナダなのだそうだ。本当に世界は広く、様々な人がいる。国際都市ドバイはその複雑さをぎゅっと濃縮した未来都市なのだろう。なお、ドバイで嬉しいと思ったのは、車が歩行者に道を結構譲ってくれることだ。ここだけでも、未来都市を名乗る資格はあると思う。

ドバイメトロで元来た道を戻り、ホテルに無事到着。ドバイ(アラブ首長国連邦)はこの旅唯一の1泊だけの滞在だったが、あの近未来なビル群と、砂漠の国らしい暑さ、そしてグローバルな人々との思いがけない触れ合いを経験できただけで充分お釣りが来るものだった。なお、洗濯物は結局思ったより乾かなかった。これだけは作戦失敗である。


5カ国目~エジプト~(工事中)

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください